第13回 乙女文楽

撮影:古屋均

チラシ(PDF)をダウンロード ≫


今年で14回目、おなじみの定期公演です。
演目は五穀豊穣を願って舞われる「二人三番叟」と、平安時代の奥州安倍氏の反逆を縦糸に、一族の再興へ情熱を傾ける男たちと、それに翻弄される女たちの重層的な物語を描いた人気曲「奥州安達原」袖萩祭文の段の2本立てでお送りします。
※お話と人形解説には手話通訳がつきます。

このページのトップへ ≫

「二人三番叟」

(ににんさんばそう)

源平合戦の後、義経は兄頼朝の不興を受けて奈良・吉野に隠れ住んでいた。恋人の静御前は家来の佐藤忠信を供に、義経を追って吉野「三番叟」は元来、五穀豊穣を祈る意味をもつものでしたが、転じて、多くはお祝いのときや開幕に際して演じられるものとなりました。文楽のみならず、能、歌舞伎、神楽など、日本の伝統芸能での中で、演じられ、重視される儀礼曲です。乙女文楽では、二人で演じます。荘重な中にも華やかさのある演目です。

「奥州安達原」袖萩祭文の段

(おうしゅうあだちがはら そではぎさいもんのだん)  
舞台は平安時代。奥州の豪族安倍一族が、中央政権を支える武将源頼家らに亡ぼされるが、その遺族、安倍貞任・宗任らが一族の再起をかけて、中央政権に闘いをいどむ物語。
安倍貞任らは、奥州に新しい国をつくることをもくろみ、その正統性のシンボルとして、時の天皇の弟宮環の宮を誘拐。そのため宮の守護役である平傔仗は、責任を問われ切腹を迫られていた。
舞台は宮のいなくなった御殿。宮廷から切腹を促す使者もやってきて、いよいよ追いつめられる平傔仗。そこへ娘の袖萩が駆けつけてきた。袖萩は、かつて浪人者と駆け落ちし、いまは物乞いに身を落とした上、重なる心労で盲目となっていた。巷の噂で父の窮地を知り、たまらずにひとり娘のお君を連れてやってきたのだった。
袖萩は父に詫びるが、謹厳な父は、娘の姿に心を痛めながらも許そうとしない。袖萩は、夫は実は身分のある武士だと、夫の手紙を見せる。父は娘を許すてがかりにもと期待をかけるが、なんとそこには“安倍貞任”の署名がある上、その筆跡から宮の誘拐犯も貞任と確信する。もはやこれまでと、傔仗は切腹を覚悟し、娘を残して奥に去る。
降りしきる雪の中取り残された袖萩のもとへ、母がひとり忍んでくるが、凍える娘と孫に自分の裲襠をかけてやることしかできないのだった。
やがて宮中から使者が来て、傔丈に切腹を迫る…。

このページのトップへ ≫

乙女文楽とは

「文楽」はユネスコの「無形文化遺産」にも登録された日本を代表する伝統人形芝居。1体の人形を3人で操ることで、感情やしぐさを繊細に表現します。
それに対し「乙女文楽」は、1人の人形遣いによって演じられます。大正末から昭和初期に文楽の人形遣い五世桐竹門造らによって誕生し、1人で遣うために、人形の仕組みと操り方にさまざまな工夫がなされています。ひとり遣いならではの多様な表現を存分にお楽しみいただけます。

ひとみ座乙女文楽

創始者のひとり桐竹門造の直弟子である故・桐竹智恵子に1967年から教えを受け、翌68年に初公演。以来56年にわたって、国内はもとより世界各地で公演し、近年は地域に根ざしたさまざまな普及活動にも力をいれています。智恵子師亡き後は2010年より文楽の桐竹勘十郎師に指導をあおいでいます。メンバーは人形劇団ひとみ座の女性演技者です。2018年「川崎市地域文化財」として顕彰。2019年「松尾芸能賞特別賞」受賞。

 

このページのトップへ ≫

出演: 「二人三番叟」

    2月1日(土)
    【15時】 荒木倫子 / 鶴田理紗
    2月2日(日)
    【11時】 冨木義之 / 金子優子
    【15時】 荒木倫子 / 鶴田理紗

 

     音源は録音です

 

   「奥州安達原」袖萩祭文の段

        袖萩 亀野直美
     平傔仗直方 松本幸子
        浜夕 山下潤子
      安倍貞任 蓬田雅代
      安倍宗任 鈴木文
       源義家 松本幸子
        お君 田川陽香(1日15時/2日15時)
           安藤麻衣(2日11時)
        腰元 冨木義之(1日15時/2日15時)
           鶴田理紗(2日11時)
        仕丁 金子優子・荒木倫子

 

       浄瑠璃竹本越孝
       三味線前 鶴澤駒治
           奥 鶴澤三寿々

 

指導:桐竹智恵子
    ◇
   桐竹勘十郎


2025年2月1日(土)開演:15:00
     2月2日(日)開演:11:00 / 15:00

              開場:開演の30分前

会場:川崎市国際交流センター ホール(川崎市中原区)

 

このページのトップへ ≫

料金(全席自由)

前売 3800円

当日 4000円

※当日は開演 1 時間前より入場整理券を配布いたします。

 

第11回 乙女文楽公演


お電話・ファックスでお申し込みはこちらです。

現代人形劇センター:TEL 044-777-2228 FAX 044-777-3570

 

チケットぴあ ≫ Pコード:530853

イープラス ≫

 

※チケットはモトスミ・ブレーメン通り商店街事務所でも取り扱っております。TEL 044 422 3626
※ひとみ座倶楽部会員の方は料金の優待がございます。(取扱窓口・現代人形劇センターのみ)

このページのトップへ ≫

主催:(公財)現代人形劇センター

後援:神奈川県/川崎市/川崎市教育委員会/(公財)川崎市文化財団/(公財)かわさき市民活動センター/(公財)川崎市国際交流協会
  (公財)日本伝統文化振興財団/(公財)ポーラ伝統文化振興財団/ 川崎商工会議所/NPO法人日本ウニマ(国際人形劇連盟)

協力:森とせせらぎネット/井田中ノ町商栄会/モトスミ・オズ通り商店街/モトスミ・ブレーメン通り商店街振興組合/川崎市民俗芸能保存協会

助成: 芸術文化振興基金助成事業

お問い合せ

(公財)現代人形劇センター ≫

TEL 044-777-2228

このページのトップへ ≫

川崎市国際交流センター ホール

◆住所

神奈川県川崎市中原区木月祇園町 2-2

◆徒歩

東急東横線・東急目黒線
「元住吉」駅西口下車徒歩 10 分〜12 分


・車椅子でのご観劇は、事前にお知らせください。