日本の人形劇の創造的発展のために、伝統と現代の架け橋となること。これが1968年の設立以来、現代人形劇センターのめざすところです。

日本は、すぐれて豊かな人形芝居の伝統をもち、世界的な評価を受ける人形浄瑠璃文楽をはじめ、全国各地にさまざまな様式の人形芝居が息づいています。

いっぽう現代人形劇は、20世紀初め頃に流入したヨーロッパ人形劇の影響を強く受けて発達し、特に第二次大戦後、子どもたちに向けた公演活動をその中心に、層の厚い人形劇人口を構成してきました。

しかし設立当時、伝統と現代それぞれの人形劇の関係はいまだ希薄で、それぞれ独自の活動を続けていました。現代人形劇センターは、ここに危機を感じ、両者の交流点となることが、現代的創造活動において不可欠であるとの認識のもとに、出発したのです。

「伝統的人形劇と現代人形劇の交流点にあることを自覚し、双方の研究と創造に対して可能な限りの援助協力を行なうことを第一の使命とする」と、設立趣意書は謳っています。


この他に、わたしたちは次の目的を掲げています。

1

郷土的、民俗的人形劇の文化財の伝承、保存、記録、実践者への援助。

2

児童文化、教育に影響を与える人形劇の効用を重視し、研究者と提携し研究と実践を行う。また映像人形劇の理論的、実践的研究。

3

国内と海外のすぐれた人形劇の公演開催、海外派遣などの、国際交流。

4

現代人形劇の活動を行うあらゆるアマチュアのグループと個人への援助と、そのセンター機能を担うこと。

5

古典と現代を問わず、職業人であると否とを問わず、すべての人形劇芸術家、実践者、研究者の社会的、生活的地位の向上のために努力すること。